ディスパッチクレーマーレポートケア編(2011年05月号)
質問者:高校生 バレーボール部 男性

膝の痛みがなかなか取れず病院に行ったところ「ジャンパー膝」と言われました。医者は「練習量を 減らせば徐々に良くなります」と言っていましたが、他に何かやらなければならないことはありますか?
ジャンパー膝は、運動を続けながら治していくのが難しいスポーツ障害の一つです。しかし、下記のことを行うことで症状は好転していきます。

1.運動前に太股の前(大腿前部)を温める
2.大腿前部の柔軟性を高める
3.運動後にアイシングをしっかり実施する
4.パテラテンドンストラップの活用
5.膝の使い方を改善する
6.スポーツマッサージを定期的に行う

<運動前>
<基本的に運動前は温めて(ホットパック)、運動後はアイシングを行います。運動前のホットパック(2008年9月号参照)は、痛みの現れる膝下ではなく、大腿前部全体に当てるようにします。約20分暖めた後にすぐストレッチを行うようにしましょう。 <柔軟性の向上>
大腿前部のストレッチの方法はいくつかありますが、しっかり伸ばすために次の方法をお勧めします。大腿前部にストレッチ感を感じる方法を選んでください(図1)。

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<運動後>
運動後のアイシングは、痛みが現れる膝の下に対して行います。詳細は2007年6月号をご参照ください。

<パテラテンドンストラップ>
ジャンパー膝に対する改善策を講じても、結果が現れるまで或る程度の期間を要します。運動中にパテラテンドンストラップを装着し痛みをコントロールすることは非常に効果的です(図2)。

<膝の使い方>
ジャンプして着地する時に、膝がつま先よりも前に出過ぎると膝に大きな負担が掛かります。膝の負担を軽減するために、より股関節を使う着地方法に切り替えましょう(図3)。

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<スポーツマッサージ>
スポーツ医学の知識を有する専門家に定期的にマッサージを受けることも効果的です。どういう時にどこに痛みが現れるかをしっかり伝え、的確なマッサージを受けるようにしましょう。

上述の全てを実施することは難しいかもしれませんが、症状を改善するために、先ずはできることから積極的に実践してみてください。