ディスパッチクレーマーレポートケア編(2013年11月号)
質問者:大学生 陸上部 男性

これからの季節は気温が低くなり、身体疲労を取り除くことが非常に難しい時期です。大きなケガにならないように良いコンディションを維持して行きたいのですが、効果的な疲労回復のマッサージ方法を教えてください。
これからの時期は全国大会出場に向けてトレーニングしているバスケットやバレーボールなどのインシーズン競技、また陸上競技や野球のようにオフシーズンに入る競技有ります。身体が冷えやすく、疲労が残りやすい冬期においてマッサージを行うことは、疲労を早く軽減するとともにコミュニケーションも取ることができるとても効果的なコンディショニングとリコンディショニングになります。今回は疲労回復を目的としたマッサージ方法をご紹介します。

スポーツマッサージは、直接的または間接的にスポーツ選手の身体機能を高めることを目的として行います。これによって選手の肉体と精神の総合的な運動能力を高め、傷害や疾病を予防・早期発見し、本来の目的である痛みの軽減や疲労回復を目的とする手段になります。

<疲労回復のスポーツマッサージの目的>
・クールダウンの補助
・コンディションの調整
・疲労回復の促進
・外傷
・傷害の予防と回復の補助

<スポーツマッサージの効果>
・使いすぎた筋肉の回復を早める
・筋肉のこわばりと痛みをもたらす毒素を流しだす
・心と体をリラックスさせる
・身体全体の意識を高める
・筋肉の硬結を和らげ、更に過去のケガによって溜まりやすい組織の疲労を取り除く
・可動範囲(柔軟性)を改善する

<マッサージの手技と手順>
疲労回復を目的としたマッサージは、全身の場合約30~45分の時間を目安として、鎮静作用を高めることを目的として施します。前回の試合前のマッサージで説明した方法も取入れながら流れよく行います。

1.強擦法(きょうさつほう)-軽擦法(10月号参照)より強く押す、もむ、こする
掌底を突っ張るように力を入れて、指先を円状に回転させる方法である。関節の周囲や傷跡、しこり、あるいは筋肉の痙攣に対して行う。(螺旋、渦巻き)

[動画がご覧いただけます]


2.揉捏法(じゅうねつほう)-掴んでもむ
軽擦法と同様に筋肉をリラックスさせたり伸ばしたりして組織中の体液の移動を助け、癒着部を引き伸ばす。肘から先の力を使い1箇所を2~4回しながら筋肉の流れに沿ってゆっくり移動させる。(手掌、手根、四指、二指、母指)

[動画がご覧いただけます]


3.叩打法(こうだほう)-リズミカルにたたく
手をお椀のようにすぼめて、または包丁のようにして叩く方法。マッサージ部位を刺激し、循環を増加させる。(泊打、手拳、切打、合掌)

[動画がご覧いただけます]


4.圧迫法(あっぱくほう)-持続的、間欠的に圧迫刺激を与える
マッサージする部位を持続的、あるいは間欠的に圧迫刺激を与える手技で、指圧法もこれに含まれる。 この方法には鎮静作用があり、持続的に圧迫する方法と、間欠して行う方法がある。(手掌、手根、母指)

[動画がご覧いただけます]