ディスパッチクレーマーレポートケア編(2011年10月号)
質問者:市民ランナー 女性

よく足の親指の爪が食い込んで痛くなってしまうのですが、今後ならないように気をつける点はありますか?
ご質問の内容から察するに陥入爪(かんにゅうそう)かと思います。陥入爪とは母趾(ぼし:足の親指)によく見られる症状で、爪の角が指先にくい込み、炎症を伴う場合もあります。痛みを伴う非常に不快な障害で、予防策として次のものが挙げられます(図1)。

1.足趾(そくし:足の指)の爪を切りすぎない
爪の先端部分の白い部位を全てではなく、指先と平行になるくらいで切ります。角は丸める程度にし、切りすぎないようにします。爪を切りすぎてしまうと、爪の角が鋭利に残り、その部分が指に食い込み炎症を起す原因となります(図2)。

2.シューズのサイズの再確認
幅に余裕がなかったり、また小さすぎるシューズを長期間着用することは、常にシューズ内部が足趾に当たり、陥入爪の原因になりかねません。反対に大きすぎるシューズを着用し続けることも、足には良い影響を与えません。シューズの中で足が前方に滑り、つま先がシューズに当たる原因になります。スポーツ店などで相談し、自分の足に合ったサイズのシューズを選ぶようにしましょう(図3,図4)。

1110ケア

陥入爪になってしまった場合、その足趾を清潔に保ち炎症の悪化を防ぐことが重要です。それでも改善が見られない場合は一度病院で診てもらうようにしてください。また、米国のアスレティックトレーナーの間では、炎症の緩和および爪を柔らかくして痛みを緩和するために、ポビドンヨード(殺菌・消毒効果のあるヨウ素剤)をぬるま湯に溶かし(例:約2Lのお湯にキャップ1、2杯)、患部を浸す方法が一般的となっています。この方法を実践する場合も、医師に相談してください。