皆さんはいつ・何を・どれくらい食べたか正確に覚えていますか?昨日、今日のことは覚えていても、先週は…思い出せない!!なんてことはありませんか?体を動かすためのエネルギー源は食事から摂るしかありません。食事はスポーツ選手にとって非常に大切なことは言うまでもありませんが、必要なエネルギーを摂るためにただ食べるのではなく、食事の「内容」が大切なのです!
食事の「内容」である、いつ・何を・どれくらい食べたかを把握する方法を「食事調査」と言います。食事調査は、選手の食事傾向を把握し、食生活の問題点を発見するとともに栄養状態の改善を目的として行われます。

食事調査法

主な食事調査法には、食事記録法、24時間思い出し法、食物摂取頻度調査法などがあり、これらの方法を組み合わせて用いられることもあります。表に代表的な調査法とその特徴をまとめました。各方法の長所や短所を理解し、目的にあった方法を選択することが重要です。

shokuji

食物摂取頻度調査法

あるチームの新入生を対象に食物摂取頻度調査を実施した際の回答例を紹介します。まず選手が質問項目に回答し、栄養士が食品の正確な摂取量などを聞き取り直すことで、さらに正確な結果が得られました。これをもとに栄養士は選手に改善すべきところを指導します。

ffqg

食事記録法の応用

携帯電話やスマートフォンなどのモバイル機器が普及し、簡単に写真をメールで送ることができるようになりました。ここでは、写真を活用した食事記録法を紹介します。選手が撮った食事の写真を栄養士にメールで送ります。写真だけでは分かりにくいところもあるので、料理名、食品名などを添えて送ってもらいます。残食があれば、食後にまた写真を送ってもらい、食事の内容に対して栄養士が指導を行います。この方法では、簡単に内容を把握することができ、食事後すぐに指導できるため、次の食事から改善を促すことができます。
Aのような食事を行った選手がいます。この選手の食事はボリューム満点ですが、野菜が少ない点が問題です。選手に対しては、野菜を増やすよう指導しました。これを続けた結果、Bのようなバランスのよい食事ができるようになりました。また、食事調査を行ったことで、選手が自分の食事や体調を見直すきっかけにもなりました。

AA 改善前
BB 改善後

今回ご紹介した例は、選手と栄養士が一緒に行っているものです。栄養士に相談すると、より正確な食事調査が行えますが、まずは自分の食事を記録し、振り返る環境を作るだけでも意味があるでしょう。食事とそのときの体調の変化を照らし合わせることで、食事を体調管理に役立てることができます。ただ食べるだけの食事から、体を改善するための食事へ、大きな一歩を踏み出しましょう。