冬期トレーニングの中盤は、トレーニングの強度や難易度が高まる時期であり、冬期序盤に培った基礎体力を徐々に競技特性へとシフトさせていく時期でもあります。また、この時期は日暮れも早く、寒さが最も厳しくなる季節です。体が冷えすぎないようにトレーニング間の休息時間を短くし、効率良くさらには効果的なトレーニングを行なうための工夫が必要です。
サーキットトレーニングとは、異なる種目のエクササイズを複数組み合わせて連続して行なうトレーニング方法のことで、エクササイズ間の休息も短く、全身の筋力や持久力、体幹などをバランス良く鍛えることができます。(ディスパッチVol.87 2014年7月号参照)今回は、メディシンボールを使ったサーキットトレーニングをご紹介します。

メディシンボール

メディシンボールは、筋力トレーニングやパワートレーニング、体幹のトレーニングを行なう器具として広く用いられます。「重さ」の負荷だけではなく、「バランス」の負荷をかけることもでき、様々なトレーニングが可能です。

トレーニング実践

・ ①〜⑥の一連のエクササイズを1セットとカウントし、2〜3セット行いましょう。負荷をかける部位(上半身、下半身、体幹)が連続しないように順番や組み合せを工夫し、「姿勢を保持する種目」と「パワー系の種目(投げる・ジャンプなど)」のバランスも考慮して行いましょう。
・各エクササイズ間の休息は10〜15秒(息が整う程度)を目安とし、セット間の休憩は1〜3分を目安にとりましょう。エクササイズ間の休息は短いほうが効果的ですが、選手の疲労度を観察しながら設定してください。
・ まずは正しい姿勢、フォームで行なうことを心がけ、徐々に回数やセット数、重さを変えていきましょう。

① 腕立て伏せ 3kg

a. 片手をメディシンボールに乗せ、腕立て伏せの姿勢をとります。
頭からかかとまで真っすぐになるように姿勢を保持します。
b. 真っすぐの姿勢を保持したまま腕立て伏せを行います。元の姿勢に戻ったらメディシンボールをもう片方の手に移動して繰り返します。

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② シングルレッグブリッジ 3kg

a. 仰向けになり片足のかかとをメディシンボールに乗せます。もう片方の足は真っすぐ伸ばしましょう。メディシンボールに乗せている足は曲げたままにします。
b. かかとでメディシンボールを押しながら、お尻を引き締めて腰を持ち上げます。メディシンボールに乗せている足の膝と肩までが真っすぐになる位置まで上げ、元の姿勢に戻します。

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③ トランクツイスト 2kg

上体を起こし、腹筋に力を入れたまま体を左右に捻ります。両手にメディシンボールを持ち、腕だけではなく腰から捻るように動かします。

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④ ラテラルスキップ 2kg

a. メディシンボールを真上に持ち上げ、背伸びをするように背すじを真っすぐ伸ばし、腕も真上に伸ばします。
b. 姿勢を維持したままスキップのリズムでマイクロハードルを跨ぐように左右に動きます。メディシンボールを真上に押し上げるイメージで、お腹と背中に力が入っている意識で行いましょう。

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⑤ ジャンプ&キャッチ 2kg

メディシンボールを両足で挟みます。勢いよく真上へジャンプしてメディシンボールを持ち上げ、キャッチします。

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⑥ ハンドウォーク 3kg

a. 両足をメディシンボールに乗せ、腕立て伏せの姿勢をとります。
a. 膝を伸ばしたままボールを少しずつ体に近づけます。元の姿勢に戻るように、手を左右交互に前に進めます。尺取り虫のように前進しましょう。

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<使用上の注意>
正しく器具を使って安全にトレーニングを行いましょう。メディシンボールは、強く叩きつけると割れてしまう可能性があります。トレーニング前にはボールに破損がないか確かめてください。