ディスパッチVol.113 2016年9月号では自己管理能力の向上がカギとお話しました。いつ、どんなときでも食事の基本の形をそろえられるよう、今回は外食やコンビニの利用法についてお話します。高校生の時期は、自分自身で食事を用意する場面が多くなり、ふらっとコンビニに入っては好きなように購入できてしまいます。誘惑に負けず、身体作りに役立つ商品を選ぶポイントをおさえましょう。

外食で食事の基本形を実践するためのポイント

主食、主菜、副菜 a〜cのいずれかの方法をとります
a. 定食タイプを選択する
 例)カツ丼→焼肉定食(ごはん、味噌汁、焼肉、サラダ)
b. 具の多い料理を選択する
 例)ラーメン→五目タンメン ※中華料理は野菜を多く取り入れやすいです
c. 丼物や麺類の場合は野菜料理を意識して追加選択する
 単品で頼みがちな丼や麺には小鉢の煮物、野菜サラダなどを一品追加しましょう
 例)牛丼+ほうれん草の胡麻和え(+冷奴)
乳・乳製品、果物を取り入れる
ヨーグルト、100%果汁、デザートを選択する
※乳製品や果物を使用したババロア、プリン、ゼリー等

+αでひと工夫

たんぱく質

コンビニで食事をそろえる場合、たんぱく質が不足となりがちです。茹で卵、ヨーグルト、チーズ、豆乳、冷奴、牛乳などを取り入れるようにしましょう。

ビタミン・ミネラル・食物繊維

主食は白米よりも雑穀米を選ぶと良いでしょう。外食ではサラダ(野菜)をおかわりができるお店を選びましょう。見た目に騙されず、必要量が摂れるように確認を!
もし、ファストフード店を利用するのであれば、外食・コンビニの実践ポイントを応用しましょう。肉、卵、チーズ、野菜が組み合わせてあるメニューを選択する、あるいはサイドメニューにあるオレンジジュース、野菜スープ、サラダを組み合わせることでバランスが良くなります!

コンビニで食事の基本形を実践するためのポイント

外食の実践ポイントと同じです。ただし、コンビニは選択の幅が増えること=誘惑が多いため注意が必要です。基本を押さえ、パッケージなどの「見た目」や新しい商品に惑わされずに「賢い選択」をしましょう。

お弁当類
ご飯の量は普段と同量になるよう選びましょう(足りない分はおにぎりで追加します)。揚げものを選択する場合は、衣の薄い唐揚げを選択するとよいでしょう。
また、洋食弁当より、和食弁当を選択すると低脂質かつミネラルや食物繊維が摂れます。
麺類
具や野菜、海藻、きのこが多く入っているものを選びましょう。練習前は中華麺よりはうどんやそばの方が消化が早くて良いでしょう。焼きそばやスパゲティー(クリームソースやミートソース)は見た目以上に油が使われているため、練習前は少なめにすると良いでしょう。スパゲティーを選択する際は和風やトマトソースを選ぶと低脂質です。
パン類
サンドイッチは食材が多く使われている商品も増えており、野菜と肉や卵などのたんぱく質源を手軽に取り入れやすいですが、パンにマーガリンが塗られているため見た目よりも高カロリー食品です。カロリーは高いですが、炭水化物量は少ないため、サンドイッチや菓子パンのみで済ますことのないよう注意しましょう。
サラダ・汁物
1食分の野菜の目安は片手1杯分です。また、サラダパスタなどの商品は一見野菜量をとれているように感じますが、キャベツやレタスだけでなく、トマト、ブロッコリーなど色の濃い野菜が入っているものを選ぶようにしましょう。

コンビニの落とし穴

スナック類

唐揚げやアメリカンドッグなどは、たんぱく源となりますが、あくまでも補食として考え、量に気をつけましょう。レジで匂いにつられてつい買ってしまうことのないように。

100%フルーツジュース、○○オレ、乳酸菌飲料

500mlパックにストローをさして飲んでいる光景を見かけます。これではついつい短時間に飲み干してしまいます。糖度が高く、飲んでもすぐにのどが渇く、疲れやすくなるなど悪循環に陥ります。 「乳製品だから」、「100%だから」といっても必要な量を見直しましょう。


参考文献:樋口満 編著:スポーツ栄養学 市村出版(東京)、2014