大切な試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、みなさんはどのようにコンディションを最高の状態に持っていきますか? 試合前の食事は、ピーキングのための一つの大切な要因となります。今回は調整期と試合前日・当日の食事でおさえるべきポイントをお話します。自身のルーティンがある方も、もう一度基本を見直しましょう。

調整期(試合1週間前)の食事

1. 食べ慣れた普段の食事をする
アスリートの食事の基本形(ディスパッチVol.113 2016年9月号参照)を揃えるようにしましょう。
2. 食べる量を考慮する
練習量が少なくなることが多いため、ウエイトコントロールに注意が必要になる競技もあります。ご飯(炭水化物)の量で調整をせず、食材や調理方法を工夫しましょう(下図1参照)。また、食欲が落ちやすい人は、食事を小分けにし、食事量を確保しましょう。
3. ビタミン、ミネラルを充分に摂る
緊張からストレスがかかりやすい時期です。免疫力が低下して体調を崩さないよう、柑橘類(オレンジ等)の果物や、緑黄色野菜を取り入れた副菜を毎食揃えましょう。
4. 便通を整える
過度の緊張は胃腸トラブル(便秘、下痢など)を起こします。便秘予防として、食物繊維(きのこ、海藻、ごぼう)を多く摂るよう心がけましょう。

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食材、調理法、調味料をカロリー別にグループ分けし、示しています。同じ料理でも、食材と調理法を変更することで、低脂質(ローカロリー)へ変更できます。組み合わせを考えた料理を作る、あるいは選べるようになりましょう。

試合前日〜当日の食事

1. 主食多め、主菜少なめ(炭水化物中心の食事)
炭水化物を中心とした消化の良い食事を摂りましょう。
2. ビタミンを多く摂る
炭水化物からエネルギーを作り出すために必要な、ビタミンB1(豚肉、豆・豆製品など)を多く取り入れましょう。
3. 脂肪は控える
消化機能が低下しやすい時期です。脂身の多い肉や、揚げもの、ドレッシングなど、脂肪を多く含む食品や料理は控えましょう。
4. 食物繊維を控える
調整期とは異なり、試合前日・当日は、お腹の張りを引き起こす原因になります。特に生野菜は控えましょう。
5. 生ものは厳禁
食中毒や食あたりで体調を崩すことがないように、加熱されている食材や料理を選びましょう。

胃腸のコンディションを整えるためには、リラックスした状態で食事を楽しむことも大切です。

肉じゃが(試合3日前〜当日)

材料(2人前)
・豚もも肉薄切り 3枚 
・じゃが芋 2個
・にんじん 1本
・玉ねぎ 1個
・油 小さじ1
・絹さや 6枚程度
(A)出汁 1カップ
   酒・醤油 各大さじ3
   砂糖 大さじ1
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作り方
1.豚もも肉は1口大に切る
2.じゃが芋は皮をむき、1個あたり8等分にする
3.人参は皮をむき、乱切りにする
4.玉ねぎは皮をむき、くし切りにする
5.絹さやはすじを取り、沸騰した湯に塩を入れ茹でておく
6.鍋に油をしき温め、玉ねぎ→にんじん→じゃが芋→肉の順に炒める
7.食材に油が回ったら、(A)を加え、弱火で10分程度煮る
8.じゃが芋に火が通ったら、 器に盛り付け完成!

芋類や、マカロニ、春雨などの穀類を使用した副菜を、毎食1品取り入れましょう。試合前に必要な炭水化物を補給できます。豚肉はもも肉を使うことでカロリーダウン!

開花丼(試合前日〜当日)

材料(2人前)
・豚もも肉薄切り 6枚
・玉ねぎ 1個
・ニラ 1/3束
・卵 2個
・油 小さじ1 
(A)出汁 1/2カップ
   みりん 大さじ3
   醤油 大さじ2
・ごはん 丼2杯
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作り方
1.豚もも肉は1口大に切る
2.玉ねぎは皮をむき、薄切りにする
3.ニラは3cm幅に切る
4.フライパンに油をしき、玉ねぎを炒める
5.玉ねぎが透明に透き通ったら、肉とニラを加えさらに炒める
6.(A)を加えて中火で5分程度煮る
7.卵を溶きほぐし、6のフライパン全体に回し入れる
8.蓋をして、卵に火が通ったら、丼ぶりに盛り付け完成!

豚ニラ玉炒めも疲労回復に良いですが、卵とじにする(煮る)ことで、消化吸収が良く、オススメの料理です。親子丼やウナ玉も良いでしょう。
豚ひき肉を使用するとさらに簡単に作れます!