5月に入って新入生も本格的にチームに加わり、目標とする試合に向けて練習に励んでいるところでしょう。しかし、無理は禁物です。外傷や障害が起こりやすい部位として、ふくらはぎやアキレス腱が挙げられます。
ふくらはぎは、全力疾走や高い跳躍力を生み出すキックの原動力となる筋肉です。ランニングや片足でのジャンプ動作の中で、足が地面から離れる瞬間や、後方から前方への速い方向転換動作の中で、強く蹴り出す瞬間に大きな力を発揮します。強い収縮を行っている分、疲労も溜まりやすく、疲労が蓄積した状態で無理をしてしまうと、筋痙攣(こむら返り)や、肉離れなどのケガにも繋がります。今回はふくらはぎについて理解を深め、日頃のケアや、ケガの予防に繋げましょう。

下腿三頭筋とは

ふくらはぎは主に下腿三頭筋と呼ばれる3本の大きな筋からできています。1本はヒラメ筋で、残りの2本はヒラメ筋の上で左右に分かれている腓腹筋です。
ヒラメ筋は下腿の上端から始まってアキレス腱に付着しています。一方、腓腹筋の発端は大腿骨です。起始部が2つに分かれており、頭部のうち、内側頭は大腿骨の下端の内側から、外側頭は大腿骨の下端の外側から出て、いずれもアキレス腱に付着しています。

腓腹筋とヒラメ筋の違い

それぞれの筋の付着位置からもわかるように、腓腹筋は膝関節と足関節の両方の動きに関わるのに対し、ヒラメ筋は足関節の動きのみに関わります。筋の性質から見ると、腓腹筋は筋を強く、速く収縮させる速筋群の割合が多いのに対して、ヒラメ筋はゆっくり収縮する遅筋群が主体になっています。そのため、腓腹筋は急激な動きに対応できるのに対して、ヒラメ筋は急激な動きには即時に対応することはできません。しかしヒラメ筋は、立ち姿勢を維持するなど、下腿を固定する役割を果たしています。また、ヒラメ筋は遅筋群の割合が多いため、腓腹筋に比べて疲れにくい筋ですが、長距離走などの練習を長時間行ったりすると、腓腹筋と同様に疲れが溜まります。

トレーニングとストレッチ

ふくらはぎを鍛えるトレーニング方法の一つにカーフレイズ(Calf raise)があります。足の母指球の下に台を置いて立ち、踵を充分に上げてから元に戻す運動を繰り返します。これを膝を伸ばしたまま行うと腓腹筋のトレーニングになり、膝を曲げた状態で行うとヒラメ筋のトレーニングになります。

また、ストレッチを行う場合も、膝がまっすぐであれば主に腓腹筋が伸張し、膝を曲げた場合は、ヒラメ筋だけのストレッチになります。

デニバンライトを使用したふくらはぎのテーピング

競技特性を考慮して、ケガが起こらないように、また軽度の疲労から重度のケガが起こらないようにするための予防法として、今回はデニバンライトを使った筋肉サポートテーピング方法をご紹介します。