トレーニングの過程で起こるスポーツ外傷や障害について、指導者や選手のみなさんはどのように考えていますか? 先月、「めざせ骨太アスリート」をテーマに日本陸上競技連盟主催の栄養セミナーが開催されました。今回は栄養学の視点から、成長期の今だからできる予防策についてお話しします。

疲労骨折予防10か条 ~疲労骨折に注意!予防しましょう!~

疲労感、体調には十分気をつけましょう
ロードでもトラックでもフィールドでもたくさん走れば発生します
運動しすぎは要注意です
骨密度が低ければ、発症率は高くなります
つらい減量は疲労骨折のもとです
生理(月経)がこないようでは骨が減ります
疲れた筋肉では、骨を守れません
よい栄養をとりましょう
ボーイもガールも、疲労骨折はおこります
運動、ランニング中のしつこい痛みはすぐ医師へ
作成:日本陸上競技連盟医事委員会 http://www.jaaf.or.jp/about/resist/medical/

骨を強くするには、20歳まで!

骨密度は20歳前後で最も強く、残念ながら後は徐々に弱くなっていきます。丈夫な骨を作る(骨密度を高める)には中学生・高校生の時期が最も重要です。気になる方は、一度は骨密度を測定してみましょう。目に見えにくいからこそ「骨の強さ」にも注目です。

骨を強くするための食事とは?

「カルシウム!」という声が多く聞こえてきそうですね。カルシウムは、強い骨や歯を維持し、体のさまざまな機能を調節することが体内での役割です。では、中学生・高校生のみなさんのカルシウム摂取量の現状はどうでしょうか。
中学生、高校生ともに、推奨されている量より摂取量が少ないという結果でした(図1)。丈夫な骨を作るために、牛乳であればもう1杯、ヨーグルトであれば2個、スライスチーズであれば2枚をプラスすることから始めてみましょう。小魚や豆製品もカルシウムを多く含みますよ。

カルシウムだけで骨は強くなるの?

カルシウムだけでは強い骨は作れません。そこでおさえてほしいのが「ビタミンD」、「ビタミンK」です。骨を形成するセメントのようなものがカルシウムなら、柱となる鉄筋部分はコラーゲン繊維、ビタミンDは取り込み役、ビタミンKは接着剤の役をしてくれます。ビタミンDは鮭(サーモン)、きのこ、青背の魚、ビタミンKは発酵食品(特に納豆)や青野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)に多く含まれています(図2)。忙しい朝でも取り入れやすい食材ばかりですね。朝からコツコツ。骨(コツ)、骨(コツ)が勝つコツです。

カルグクス~韓国風うどん~

カルグクスは韓国の「手打ち麺」を使った麺料理です。殻付きのあさり、ズッキーニやしいたけ、錦糸卵、糸唐辛子が基本の材料ですが、今回は手に入りやすく簡単な食材でアレンジしました。

材料(2人前)
・シーフードミックス  100g
・桜エビ 大さじ4
(しらす、アミエビなどでも◎)
・にんじん 1/4本
・しいたけ 2個
・ニラ 1/2束
・うどん 2人前
・(A)水 3カップ
 鶏ガラスープの素 大さじ2
・(B)おろしニンニク 小さじ1
 塩こしょう 適量

作り方
1.にんじんは短冊切り、しいたけは薄切り、ニラは3cm幅に切る
2.鍋に(A)と1の野菜を入れ火にかける
3.沸騰したらシーフードミックス、桜エビを入れ再沸騰させる
4.(B)を入れ、味を調える
5.4にうどんを入れ、3分程度煮込み、器に盛り、完成!(スープに少しとろみがつきます)

シーフードミックス・干しエビ(または小魚)を使うことでカルシウムの補給、しいたけはビタミンDの補給に。また、これらの食材はスープのだしにもなります! 忙しい時でもさっと作れる料理です。冷凍のシーフードミックスやうどんを常備しておくと良いですね。うどんをラーメンにしても◎! スープだけでも◎! 干しエビは欠かさずしっかり食べてくださいね。

サーモンの豆腐クリームグラタン

材料(2人前)
・サーモン(鮭でも◎) 2切れ
・塩こしょう 適量
・ほうれん草 2茎(80g)
・玉ねぎ 1/2個
・炒め油 小さじ1
・ピザ用チーズ 適量
・(A)木綿豆腐 1/2丁
 牛乳 大さじ1
 コンソメ(顆粒) 小さじ1/2
 塩こしょう 適量

作り方
1.サーモンに塩こしょうをふり下味をする
2.ほうれん草は3cm幅に、玉ねぎは薄切りにする
3.フライパンに油をしき温め、ほうれん草、玉ねぎを炒める
4.(1)のサーモンを耐熱容器に移し、ラップをかけ電子レンジで加熱する
5.(A)をミキサーにかけクリーム状にする
(粗く崩した状態でも良い場合は、ボールにいれ混ぜ合わせても◎)
6.耐熱容器に3(野菜)→4(サーモン)→5(豆腐クリーム)の順にのせる
 最後にピザ用チーズをふりかける
7.トースターで加熱し、表面に焼き色がついたら完成!

ホワイトソースを使わずに木綿豆腐を使うことでカルシウムの補給に。また、減量中の選手にとって食べたくても我慢しがちなグラタンもローカロリー・カルシウムアップできるお勧め料理になります! 豆腐クリームの味を味噌に替えると和風に。アレンジがきく1品です。