ディスパッチクレーマーレポートケア編(2014年01月号)
質問者:高等学校 サッカー部顧問 男性

冬季トレーニングの際、身体が温まりにくいため、ケガが多くなっています。練習前後にできるケアで良い方法があったら教えてください。
気温が低く寒い日が続きます。この時期はトレーニングを行う際にも身体が温まりにくく、また休憩時にはすぐに身体温(筋温)が下がってしまうことで身体の動きが鈍くなります。それらが原因となって、疲労が溜まりやすくなったり、古傷(過去にケガをした所)が痛みを引き起こしたりします。温熱療法は硬くなった筋肉をほぐしたい時や、慢性的な痛みを緩和したい時に使います。
関節や筋肉を温めることによって血管が拡張して血行がよくなります。そして、温められた部位の血液の流れる量が増えるので酸素や栄養素が増加し、多くの老廃物を運び去り新陳代謝が活発になります。
その結果、細胞が活性化することで人に本来備わっている自然治癒力を高め、身体の状態を良くするのか温熱療法です。

ホットパック(湿熱式、乾熱式)
治療院などで使われているホットパックには、お湯につけてタオルで包んで使用するものや、電気を使って温めるものなどがあります。
ホットパックの代用としては、タオルをお湯に浸してしぼり、上から熱を逃がさないようにビニール袋などで覆う方法があります。冷めたら3~4回繰り返して行います。
また、アイスバッグや氷嚢に50~60℃くらいのお湯を入れて、簡易式のホットパックとして使うこともできます。他に携帯用の使い捨てカイロなども腰や大腿部などを温めるのに使用できます。いずれの方法も火傷をしないように注意してください。

温水浴
お風呂の入浴が温水浴そのものです。ジェットバスのような気泡の刺激があれば、さらに温熱効果は高まります。
深部から身体を温めるには、38~42℃のお湯にその部位をつけ、ゆっくりと温めるのが良いでしょう。この方法は、身体全体や部分的にも行うことができます。

マッサージ
さする、揉む、叩く、振るわす、手のひらや指で圧を加えるなどの方法で部分的や全体的に血行を促進させる温熱療法です。
医療の分野ではその他の目的もありますが、スポーツでは血行を促進させることが主な目的になります。

ストレッチング
筋肉を伸ばしたり縮めたりしながら、最終的に可動域を広げる方法がストレッチです。その中でウォーミングアップとして導入するものが、徐々に身体温を上げながら行う方法がダイナミック(動的)ストレッチです。その他、スタティック(静的)ストレッチ、バリスティック(弾道的)ストレッチ、PNF(固有受容性神経筋促通法)ストレッチなどがあります。いずれのストレッチも身体を温める方法ですが、導入方法(事前準備)や導入場所(気温や室温)により効果が変化しますので、知識と技術が必要です。

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