ディスパッチクレーマーレポートケア編(2011年09月号)
質問者:中学生 ソフトボール部 女性

練習で走っていると脇腹が痛くなる事があります。ひどい時は動けないほどです。時間が経つと治まるのですが、痛くならない方法や痛くなったときにどうすればいいか教えてください。
運動時の脇腹の痛み(ETAP)は、多くの人が経験したことのある不快なものです。質問者の方が言うように、痛みが激しい場合には本当に運動することが困難になり立ち止まってしまうほどです。痛む部位は肝臓が位置する右側が圧倒的に多いようですが、肝臓自身に問題があるのではなく肝臓がぶら下がっている横隔膜との兼ね合いのようです。ETAPは、不規則に現れて比較的短時間で収束する痛みです。そのためリサーチが困難で、未だに原因が明確になっていないのが現状です。しかし、現時点で幾つかの予防法と対処法が推奨されているので次に紹介いたします。

<運動前のアドバイス>
・固形の物は3時間前に食べ終えるようにしましょう。また運動前の水分摂取は濃度の高いもの(フルーツジュースなど)は避けて、ミネラルウォーターなどを選ぶようにしましょう。
・ウォームアップでしっかりと体温を上昇させましょう。

<痛みが出たときのアドバイス>
・深呼吸を大きく速くしましょう。
・腹式呼吸に切り替えましょう。
・痛みが出ている側の手を挙げて、痛みが出ている部分を伸ばすように体側のストレッチをしましょう(図1)。
・痛みが出ている所に指を押し込み、あばら骨に向けて押し上げましょう(写真1)。

上述のようにETAPに関しては未だに不明な点が多いのが現状です。しかし、運動前に関しては飲食の量よりも飲料の濃度が原因としてクローズアップされてきています。また横隔膜が関連することに異論を唱える人も少なく、痛みが出たときは呼吸の仕方を変えることで横隔膜に働き掛けることができます。ETAPに悩んでいる人は、特に左記のアドバイスを試してみてください。

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