先月号で、客観的に自分自身の状態を知ることが効果的なトレーニングとパフォーマンスの向上に繋がるとお話ししました。
では一体、何を、どのように見ればよいのでしょうか。今回はメディカルチェックの中でも「貧血」についてお話しします。

メディカルチェック「貧血」

貧血はどのようにして診断されるのでしょうか? 代表的な方法は血液検査です。最近の健康診断で血液検査を行った方は、自身の状態を知ることができるかと思います。血液検査を行うことは自分の成長を見ることに繋がります。身長や体重は測定しやすいため、日々変化を確認できますが、体の中も移り変わることを忘れてはなりません。この機会にぜひ、血液検査を行い、自身の値を定期的に確認してみてください。
ポイントは、下記の3つの項目です。いずれの項目においても、下記の基準値よりも低い場合は、パフォーマンスに影響している可能性が考えられます。

男性 女性
(1)ヘモグロビン値(Hb/血色素量) 13〜17g/dl 12〜15g/dl
(2)血清鉄 50〜200µg/dl 40〜180µg/dl
(3)フェリチン値 20〜120ng/ml

※基準値は目安です。気になる項目がある人は医師あるいは公認スポーツ栄養士・管理栄養士に相談しましょう。

隠れ貧血

貧血はヘモグロビン値だけでは判断できません(下図参照)。
「フェリチン(貯蔵鉄)」→「血清鉄」→「ヘモグロビン(機能鉄)」の順に数値は低下します。ヘモグロビン値は前回と変わらなくても、よくみると「他の項目の数値は減っていた」ということがよくあります。これは、貧血になる前のサインで「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」と言われています。貧血検査の際は、複数の項目をあわせてみることが大切です。貧血の予防・早期発見をし、効果的なトレーニングとパフォーマンスの向上に繋げていきましょう。

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ちょっと待った! サプリメントの前にできること

貧血を回復するために、手っ取り早いのは「サプリメント」と考えてはいませんか?
「鉄」は摂りすぎると体の害です。1日の限度量(耐用上限量)は男性50mg、女性40mgです。サプリメントに頼りすぎるとこの量を超えてしまうので、注意が必要です。鉄の補給方法は ディスパッチVol.110 2016年6月号 をご覧ください。また、補食に鉄強化食品(鉄入りの牛乳・ヨーグルト・チーズ)を利用することや、普段のご飯に強化米(鉄強化食品)をプラスすることで、食事では補いきれない量を上手に食事に取り入れることができます。

イワシの蒲焼丼

材料(4人前)
・イワシ切り身 8切
・塩、コショウ
・小麦粉 大さじ3
・酒、しょうゆ、みりん 各大さじ4
・ごはん
・ミックスベジタブル
・焼き油
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作り方
1.イワシに塩コショウをふり下味をつける
2.フライパンを温め、ミックスベジタブルを炒め、塩コショウをふる
3.1のイワシの水気をキッチンペーパーでふきとり小麦粉をはたく
4.フライパンに油をしいて温め、イワシを皮目から焼く
5.焼き色がついたら裏返してさらに焼く
6.5に酒、しょうゆ、みりんを加え、煮詰める
7.ごはんを器に盛り、ミックスベジタブル、蒲焼をのせて完成!

魚の中でもイワシ、カツオは鉄の多い食材で、肉類と比較しても鉄を多く含みます。食欲が落ちやすいこの時期は、蒲焼やカレー粉(香辛料)を使用した料理にするとご飯とともに食べやくオススメです!

厚揚げステーキ

材料(4人前)
・厚揚げ  4枚
・鶏ひき肉 80g
・にんじん 1本
・しいたけ 4個
・なす   1本
・(A)酒、しょうゆ、みりん各大さじ1
 味噌 大さじ1
・炒め油
・(飾り用)ねぎ、レタス、トマト
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作り方
1.にんじん、しいたけ、なすをみじん切りにする
2.フライパンに油をしき、1の野菜を加え加熱する
3.野菜に油がまわったら鶏ひき肉を加え加熱する
4.(A)の調味料を混ぜあわせ3に加えて、肉みそを作る
5.別のフライパンにクッキングシートをしき、厚揚げを焼く
6.焼き色がついたら裏返して焼く
7.器に厚揚げ、4の肉みそをのせたら完成!

豆製品は鉄の多い食材です! メインのおかず以外では、味噌汁に豆腐や油揚げ、厚揚げを使用することで鉄補給UP!