今の時期から注意が必要となるのが熱中症です。熱中症は、体温の上昇に伴う大量の発汗等により起こります。発汗により水、電解質が喪失されますが、この時「鉄」も体の外に排出されていることをご存知でしょうか。発汗による鉄の排出は、1時間あたり0.2mgとされています(諸説あります)。今回は、水や塩分と同時に「鉄」の補給もチェックしていきましょう。

貧血の状態はパフォーマンスに影響する?

「貧血の状態では疲労回復が遅くなる」とお伝えしてきました。(ディスパッチVol.103 2015年11月号ディスパッチVol.108 2016年4月号参照)
立ちくらみすることだけが貧血の症状ではありません。集中力がない、いくら休息をとっても疲れが抜けない、なんとなくやる気がでない…このような症状がある場合は、貧血が原因であることも考えられます。また、トレーニングによって筋肉量が増加している時期は、同時に血液量も増加するため、貧血同様の症状が出る場合もあります。いずれの場合も「血液検査」によって、客観的に自分自身の状態を知ることが、効果的なトレーニングとパフォーマンスの向上に繋がります。(定期的な検査を行うことも重要です。)
特に梅雨時期から夏場は、発汗により鉄の損失量が増える時期です。貧血はトレーニングでは回復しません。夏を越えた時期に貧血とならないよう、この時期から日々のリカバリーを大切にしていきましょう。

リカバリーのポイント

鉄の補給方法について、普段の食事をチェックしてみましょう。

□ 卵を1日1個食べる
□ 赤身の肉、魚を食べる
□ 豆、豆製品(豆腐、納豆、油揚げ)を食べる
□ 緑黄色野菜を1日3回食べる
□ 種実(アーモンド、ピーナッツ)を食べる
□ 1週間に1回レバーを食べる
□ 果物(特に柑橘類)を食べる

この7項目が、鉄を多く含む食材とリカバリーのポイントです。
もしチェックがつかない項目がある場合は、鉄の摂取量と補給方法に注意が必要です。まずはすべての項目にチェックが入るように食生活を改善していきましょう。

「鉄補給の王様」ひじきは鉄が多い…?

最近、ひじきに含まれている鉄の量が大幅に訂正され、これまでの1/9の量であることがわかりました。

ひじきの煮物(1人前:ひじき(4g)の鉄の量)
以前2.2mg → 現在0.2mg

理由は、製造に使う釜が鉄釜からステンレス釜に変わったことにあるそうです。同様に切干大根も以前よりも少ないことがわかりました。

鉄補給のワンポイントアドバイス

1.ひじきの煮物を作るときは、油揚げや大豆を入れるとよいでしょう。
豆製品で鉄の摂取量がUPします!
2.緑黄色野菜は鉄の吸収率が低いため、柑橘類の果物を一緒に摂り、吸収率を高めるようにしましょう。
3.小腹がすいた時には「小魚&アーモンド」がおすすめです!
鉄補給を考えた間食です。
4.鶏レバーが苦手な方は豚レバーがおすすめです。スライスして販売されているので、下処理の時間が短く、また臭みが少ないため食べやすいでしょう。

レバー餃子

材料(4人前)
・キャベツ  1枚
・ニラ    1/3束
・豚ひき肉  60g
・レバー(豚) 60g
・焼き肉のたれ
・おろししょうが 1g  
・おろしにんにく 1g  
・(A)塩、こしょう、しょうゆ、ごま油
・餃子の皮 20枚
・焼き油
gyoza

作り方
1.キャベツ、ニラをみじん切りにする
2.豚レバーを器にのせ、電子レンジで加熱する
3.加熱したレバーをみじん切りにし、焼き肉のたれで和える
4.1の野菜、3のレバー、豚ひき肉、しょうが、にんにく、(A)を混ぜ合わせ、餃子の皮で包む
5.フライパンに焼き油をしき、餃子を並べる
6.焼き色がついたら水を加え、蓋をして蒸し焼きにしたら完成!

苦手なレバーを焼き肉のたれで和えることで臭みが和らぎます!餃子で疲労回復&鉄補給!

ポークビーンズ

材料(4人前)
・玉ねぎ  1/2個
・にんじん 1/2本
・ピーマン 2個
・豚レバー 20g(スライス2枚)
・豚小間肉 20g
・大豆(水煮缶) 1/2缶 
・トマト缶   1/2缶
・(A)コンソメ、塩、こしょう、砂糖 
・トマトケチャップ
・炒め油
pork

作り方
1.玉ねぎ、にんじん、ピーマンを1cm角に切る
2.豚レバー、豚小間肉を1cm程度の大きさに切る
3.鍋に油をしき、玉ねぎをあめ色になるまで炒める
4.にんじん、ピーマン、2の肉を加えさらに炒める
5.肉に火が通ったら大豆、トマト缶、(A)の調味料を加えて煮込む
6.トマトケチャップ、塩、こしょうで味を調えて完成!

豚小間肉をひき肉にかえて、カレー粉を加えるとドライカレーにアレンジができます! レバーが苦手な方は豆だけでも鉄UP!