今回は下肢のペアストレッチの方法をご紹介します。一人で行うストレッチに比べて多くの点で有効なペアストレッチですが、やり方を間違えると効果がないばかりでなく、身体を痛めてしまう可能性もあるため、正しい方法で行いましょう。
まずは、伸ばそうとする筋肉の起始部をしっかりと固定して適度な力加減を調節しながら伸ばすことが大切です。その他、呼吸を行うこと、ケガをしている部位は避けること、痛みが出た際は無理に我慢しないこと、身体が温まっていない場合は反動をつけないようにすることなどに注意しながら行いましょう。
また、特にストレッチが必要となる「身体が硬い(柔軟性が低い)人」ほどうまくできないものです。リラックスして筋肉が伸びる刺激を受け入れることが良いとはわかっていても、そのポーズを作るために力んでしまい、なかなか力を抜けないことが多いようです。身体が硬いと、後で痛くなるからと、余計にストレッチをしたくなくなり、どんどん身体が硬くなるという悪循環もあります。ストレッチの効果をしっかりと理解して、リラックスした状態で行い、お互いにストレスを与えないよう両者が心がけましょう。
下肢のペアストレッチの方法
1:ハムストリング(大腿後部)と大殿筋のストレッチ
仰向けになり、前後開脚で行います。ストレッチする方の脚は膝をしっかりと伸展させ、足首を背屈させます。両方のつま先が外に開かないように注意しましょう。また、逆脚の筋肉(関節)を軽く縮めることにより、ストレッチ効果が高まります。10秒から15秒伸ばしたら、可動域をほぼ変えずに下肢を捻っていき、ハムストリングと同時に臀部をストレッチしていきます。
2:ハムストリング(大腿後面)のストレッチの組み合わせ
前後開脚ストレッチでは、写真のように足先と股関節の方向を変えることで、伸ばされる筋肉が変わります。
これによりハムストリング全体の柔軟性がさら向上し、効果的なストレッチになりますので、組み合わせて行ってください。
前後開脚ストレッチでは、写真のように足先と股関節の方向を変えることで、伸ばされる筋肉が変わります。
これによりハムストリング全体の柔軟性がさら向上し、効果的なストレッチになりますので、組み合わせて行ってください。
3:股関節内旋のストレッチ
(うつ伏せで下腿を外側に開く)
うつ伏せで両膝を90度に曲げ、下腿をゆっくりと外に広げながら股関節を内旋させます。ここでは柔軟性を向上させるだけでなく、左右の外旋筋群の柔軟性のバランスを確認して、左右差がないようにしていくことが重要です。
(うつ伏せで下腿を外側に開く)
うつ伏せで両膝を90度に曲げ、下腿をゆっくりと外に広げながら股関節を内旋させます。ここでは柔軟性を向上させるだけでなく、左右の外旋筋群の柔軟性のバランスを確認して、左右差がないようにしていくことが重要です。
4:股関節外旋のストレッチ
(仰向け外転外旋位)
仰向けで行います。ストレッチする方の股関節を外転外旋位のポジションで固定し、下腿内側を胸に近づけながら主となる中殿筋と小殿筋をストレッチしていきます。ここで伸ばされる筋肉群は腰痛予防に関係する筋肉のため、左右のバランスを確認しながら行いましょう。
(仰向け外転外旋位)
仰向けで行います。ストレッチする方の股関節を外転外旋位のポジションで固定し、下腿内側を胸に近づけながら主となる中殿筋と小殿筋をストレッチしていきます。ここで伸ばされる筋肉群は腰痛予防に関係する筋肉のため、左右のバランスを確認しながら行いましょう。
5:股関節前面と大腿前面のストレッチ
側臥位で行います。下側の脚は股関節と膝関節を曲げて前に出し、上側の脚は膝を最大屈曲させます。(B)は(A)の膝上部を押さえ、足首を身体で固定します。もう片方の手で仙腸関節を固定して、押さえている膝をゆっくりと後方に引いてストレッチします。
側臥位で行います。下側の脚は股関節と膝関節を曲げて前に出し、上側の脚は膝を最大屈曲させます。(B)は(A)の膝上部を押さえ、足首を身体で固定します。もう片方の手で仙腸関節を固定して、押さえている膝をゆっくりと後方に引いてストレッチします。
6:大腿筋膜脹筋(広背筋)のストレッチ
側臥位で行います。背中側をベッド中央より端に位置して、上側の下肢を膝を曲げないように後方に引き、ベッドのない所で膝を下方に押し下げていきます。同時に(A)は広背筋が伸びるように上側の腕を顔の方向に伸ばし、(B)は背中側から肋骨を押さえて上体を固定します。
側臥位で行います。背中側をベッド中央より端に位置して、上側の下肢を膝を曲げないように後方に引き、ベッドのない所で膝を下方に押し下げていきます。同時に(A)は広背筋が伸びるように上側の腕を顔の方向に伸ばし、(B)は背中側から肋骨を押さえて上体を固定します。
7:内転筋群のストレッチ①(膝屈曲)
内転筋を効果的にストレッチするために、保持する脚は写真のように外転させます。股関節、膝、足関節を十分に屈曲させて、外に開きながら上体に引きつけます。
内転筋を効果的にストレッチするために、保持する脚は写真のように外転させます。股関節、膝、足関節を十分に屈曲させて、外に開きながら上体に引きつけます。
8:内転筋群のストレッチ②(膝伸展)
内転筋を効果的にストレッチするために、保持する脚は写真のように外転させます。脚は伸展位で膝が曲がらないように、股関節を外転位にしてゆっくりと開きながらストレッチします。
内転筋を効果的にストレッチするために、保持する脚は写真のように外転させます。脚は伸展位で膝が曲がらないように、股関節を外転位にしてゆっくりと開きながらストレッチします。