ウォームアップをしてもなかなか身体が温まらない、クールダウンやケアをしても疲れが取れない、朝晩の冷えでよく寝られないなど、冬特有の悩みに困っていませんか? 寒い中で練習をする状況はみんな同じです。今回は身体を温める食事を考えてみましょう!
食事が身体を温める? 身体を温める食事?
食事によりエネルギーが作られ、その過程で熱が放出されて(食事誘導体熱産生)体温が維持されます。エネルギー不足や炭水化物の不足は体温の低下を招くため、特にスポーツ選手は炭水化物を摂ることが重要になります。減量中の場合でも、減らしすぎないよう注意しましょう。また、エネルギーや栄養素を身体の隅々の細胞まで運ぶためには、血液の循環が重要です。しかし、手足や内臓が冷えることで「血液の循環が悪くなる→消化吸収・エネルギーの代謝が悪くなる→体温が上がりにくい」という負の連鎖が起こります。これでは、疲労回復が遅くなり、高いパフォーマンスは望めません。疲労により内臓の機能が低下しているときや、貧血、血液・血管系が不調である時はさらに体温が上がらず身体が冷えてしまいます。
□ エネルギー源である「炭水化物」を摂っている
□ 血液の循環を良くする食事を考えている
□ エネルギーの代謝を高める食事を考えている
当てはまらない項目に注目です。下記段落①~③を参考に身体を温める食事でパフォーマンスを向上させましょう! また、冬季はトレーニング強度が高くなるため、血液の循環が悪くなりがちです。先月・今月号のトレーニングやペアストレッチを参考にしてみましょう。小さな心がけがコンディションに大きく影響します。
①冷え知らずで冬季を乗り切る基本のステップ A・B・C
A.朝食を必ず食べよう!
寒くて布団から出られず時間がない… 朝食を食べずに学校へ向かってはいませんか? 朝食を食べることで体温が上がります。練習前だけではなく、起床時の状態がその日のパフォーマンスに繋がります。
B. エネルギー源は炭水化物から摂ろう!
冬季練習時はウエイトアップのために「たんぱく質」に注目しがちです。たんぱく質もエネルギー源となるので身体を温めてくれますが、エネルギー源を確保するためには「炭水化物」が不可欠です。身体を温め、パフォーマンスをより良い状態にするには、炭水化物の摂り方を見直しましょう。冬場は主食にもち米や餅を取り入れるとよいでしょう。もち米や餅は胃を温めてくれます。和食の知恵ですね!
C. ファストフードや甘いお菓子、甘い飲み物を控えよう!
「エネルギーはきちんと確保できているし、食事も抜くことはないです!」と、自信を持って言う選手ほど、実はファストフードや甘い飲料についつい手が出てしまいがち。頑張っている自分へのご褒美に時には楽しむ食事があっても良いですが、その回数とタイミングはどうでしょうか? ファストフードの油や、甘いお菓子や飲料の砂糖は、血液中の脂質や糖質を増加させ、血液がドロドロになっていきます。血の巡りはコンディションに大きく影響します。
②血液の循環を良くする・血を作る食材
・さば、あじ、いわし(青魚) ・たこ、いか、えび(甲殻類)
青魚は「EPA」や「DHA」 、甲殻類には「タウリン」が多く含まれ、血液の循環を良くする働きがあります。今の時期のさばは、脂がのっておいしいですね。この脂にEPAやDHAが多く含まれています。最近では、タウリンは貧血の改善にも繋がると言われています。
③エネルギーの代謝を高める・身体を温める食材
・しょうが、とうがらし ・ニラ、ネギ、玉ねぎ
これらの食材は血行を良くし、エネルギーの代謝を良くすると言われています。冬季のコンディショニング、減量にもおススメです!
料理を選択するポイント
野菜炒めやサラダなどの料理を、冬はあんかけやスープ類にアレンジしてみましょう。内臓の負担を和らげ、身体を温めてくれます。あんかけ丼やおでんなどは、コンビニでも選択できますね。
鯖のキムチ煮
・さば 2切れ
・じゃが芋 小2個
・ニラ 1/2束
・白菜キムチ 100g
・ごま油 小さじ1
(A)
・水 300ml
・鶏ガラだし(顆粒) 小さじ1
・酒、しょうゆ、みりん 各大さじ1
・コチュジャン 小さじ1
(飾り用)
・白ごま 適量
![](https://www.cramer.co.jp/cgi-bin/wordpress/wp-content/uploads/2017/12/saba.jpg)
作り方
1.さばは皮目に切れ目を入れる
2.じゃが芋は皮をむき2等分にする
耐熱容器に入れ、電子レンジで加熱しておく(500Wで5分程度)
3.ニラは5cm程度に切る
4.フライパンを温めごま油をしき、白菜キムチとニラを入れて軽く炒める
5.(A)の調味料を入れて、煮立ったらさばと2のじゃが芋を加え、
落し蓋をして中火で5〜6分煮る
6.落し蓋をとって煮汁を少し煮詰め、器に盛り付けたら完成!
「魚をなかなか食べてくれない」と悩む保護者の皆さんへお応えします! ごはんがすすむ1品です。身体を温める食事として、常備しておくとよいですね!さばは白菜キムチで煮ると臭みも消えふっくらとします。辛味を追加できそうな場合は、「粉唐辛子」を加えると、さらにエネルギー代謝が上がります。
五目たまごあんかけうどん
・豚肉 1枚(40g)
・しいたけ 小2個
・にんじん 1/4本
・卵 2個
・うどん(冷凍) 2玉
・むきえび 小6個(60g)
・スナップえんどう 4個
(下処理)
・酒 小さじ1
・塩コショウ 適量
(A)
・白だし 大さじ4
・水 600cc
・しょうが汁 小さじ2
(B)
・片栗粉 小さじ3
・水 大さじ4
![](https://www.cramer.co.jp/cgi-bin/wordpress/wp-content/uploads/2017/12/gomokuudon.jpg)
作り方
(下処理)
・うどんをレンジで加熱
・えびは、酒小さじ1と塩コショウをふり、耐熱容器に入れ電子レンジで2分ほど加熱
・スナップえんどうはヘタと筋を取り、電子レンジで加熱
1.豚肉は一口大に、しいたけは軸をとり薄切りに、にんじんは短冊切りにする
(B)を溶き合わせておく
2.鍋に(A)を入れ、煮立ったら1の食材を入れて5分ほど煮る
火が通ったら(B)を入れ、とろみがつくまで煮る
3.溶いた卵を加え、混ぜ合わせてから火を止める
4.器に盛り付けたら完成! スープジャーを使えばお弁当にもできます!
あんかけとしょうがで身体の芯から温まる1品です。休日の練習でお弁当に困った時にいかがでしょうか。選手の皆さんでも簡単に作れますよ!