デザイン選考

「日本全国のみんなの想いを込めたデザインを作る」
2019年、社内の全デザイナーで26個のデザインを作成し、9個の候補デザインに絞り込みました。その年に開催された大会の出店や講習会にて、中学生・高校生を中心にアンケートを実施し(総数1205票)、得票数の最上位(全体の48.1%である580票)のデザインがベースとなっています。パラ陸上競技選手の皆様にもご意見をいただき、最終的に決定しました。

デザインコンセプト「無限大」

競技用ユニフォームには、筆で力強く描いた無限大の記号を大胆に配置し、躍動感と勢いを表現しました。一本一本の線は、共に歩んできた仲間や過去に起きた出来事ひとつひとつを表しています。その全てが重なり合って今、戦いに挑む選手の姿を重ね合わせて作成しました。
また、代表選手が所属するJPA(一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟)・JBMA(認定特定非営利活動法人 日本ブラインドマラソン協会)・JIDAF(特定非営利活動法人 日本知的障がい者陸上競技連盟)の三団体を三画で表し、三団体が一つのチームとなり、無限の力を発揮してほしいという願いを込めています。ジャージ類には、コンセプトである「無限大」の記号を直線的かつシンプルに表現したデザインを採用しています。

いずれのウェアにも、無限大の記号と和柄を組み合わせたオリジナルの柄を透かして配置しており、「無限花菱」と名付けたこの柄は、今回のウェアデザインの象徴となっています。

ウェアの特徴

東京の暑さへの対策として、競技用ユニフォームに使用する新たなメッシュ素材を開発しました。肌離れ性を高め、衣服内に流入する通気量を増大させることで、従来素材からクーリング効果が向上しています。短距離競技や車いす競技選手が着用するユニフォームについても、伸縮性を確保しながら薄さと軽さを兼ね備えた新ストレッチ素材を採用しており、身体の熱を効果的に逃します。さらに通気性を確保するために、ユニフォームの背面にはゴールドのメッシュ素材を縦に大きく配置しています。着用して動くことで、外気を取り込むとともに、衣服内の熱を効果的に外へ逃す構造になっています。
また、試合前や競技間に着用するアイスベスト、レース用キャップの内側には、保冷剤を入れられるポケットを装備するなど、シーンに合わせて暑熱対策を行えるよう準備しています。女性アスリートが着用するランニングブルマやタイツの内側にはショットガード素材を採用することで、悪質な透過撮影からアスリートを守ります。競技に集中できる一助となれば幸いです。