ディスパッチクレーマーレポートケア編(2013年10月号)
質問者:大学生 陸上部 男性

これからの駅伝シーズンに向けて、ベストコンディションで臨みたいと思っています。レース前に行なう効果的なスポーツマッサージの方法を教えてください。
秋のスポーツシーズン真只中ですね。試合に向けてベストコンディションで臨む事は、結果を左右する大きなポイントにもなります。今回は、ベストコンディションづくりにおいて必要となる試合前と試合間に行うスポーツマッサージをご紹介します。

スポーツマッサージは直接的、または間接的にスポーツ選手の身体機能を高めることを目的として行います。これによって選手の身体と精神の総合的な運動能力を高め、傷害や疾病を予防・早期発見し、さらにマッサージ本来の目的である痛みの軽減や疲労回復を目的とする手段になります。

<試合前と試合間でのスポーツマッサージの目的>
・ウォーミングアップの補助
・パフォーマンス向上の補助
・コンディションの調整
・疲労部位の張りの除去

<スポーツマッサージの効果>
・柔軟性と弾力性を回復させる
・血液とリンパ液のながれを改善
・心と体をリラックスさせる
・身体全体の意識を高める
・可動域を改善する

<マッサージの手技と手順>
試合前のマッサージは、短時間(15~20分)で興奮作用を高めることを最大の目的として行います。いくつかの手技がありますが、今回は、軽擦法・叩打法・振せん法・伸展法をご紹介します。

1.軽擦法[けいさつほう]-なでる、擦る
筋肉を伸ばし、リラックスさせ、組織の中の体液の移動を活発にさせる。筋繊維の癒着を伸ばす。指と掌を大きく擦るような動きで心臓方向に滑らせていく。これにより静脈の流れとリンパ液の流れの循環を助ける。(手掌、手根、四指、二指、母指)

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2.叩打法[こうだほう]-リズミカルにたたく

手をお椀のようにすぼめて、または包丁のようにして叩く方法。マッサージ部位を刺激し、循環を増加させる。(泊打、手拳、切打、合掌)

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3.振旋法[しんせんほう]-細かく震わせて、部位に振動を与える
手や指で細かく震わせて振動を身体に与える方法。リズミカルに刺激を与えることによって神経筋の機能を高め興奮させる効果がある。マッサージの仕上げに使われる。(牽引、きりもみ)

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4.伸展法[しんてんほう]-ストレッチング
マッサージした部位の筋肉、腱などの組織を伸ばし、関節可動域を拡大する。

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