「腰」という漢字は、身体の一部分であることを表す部首「
腰部に起こる傷害を総称して「腰痛」と呼びますが、腰痛は二足歩行をしている人間特有のケガなのです。もともと、四本の足で歩いていたときには、背骨が水平だったため、それほどストレスもかからず、体重も四本の足で分散することができました。それが二足歩行になったことで、背骨を中心に垂直方向にストレスがかかることになり、特に腰部は上半身の重みを支えなければならなくなったのです。
脊柱と骨盤の構造
腰痛について説明する前に、まずは背骨の構造を見てみましょう。背骨は
また、仙骨の両側には耳のような形をした
頸椎から腰椎にかけては、合計24個の
脊柱と骨盤の周りには、たくさんの筋肉と靭帯があります。筋肉は脊柱を支える重要な役割を果たしており、腹筋と背筋のバランスが保たれていることで、脊柱を安定させています。骨盤内は多くの靭帯で結合されて安定していますが、脊柱へ衝撃がかかったり、バランスが崩れることによって、骨盤にも負担がかかり、腰痛の原因となります。
腰痛の動きによる分類
腰痛を治すには医師からの診断を受けて明確な病名を知ることが必要ですが、どのように動くと腰が痛むのかを自分自身で把握し、腰痛の原因となる動作を修正していくことが大切です。
股関節を屈曲するときに痛みが強くなるタイプです。この場合、背筋・
股関節を伸展するときに痛みが強くなるタイプです。この場合、大腿四頭筋や
体幹を回旋することによって痛みが強くなるタイプです。このタイプの多くが、回旋するときの腹筋の緊張が不十分なために骨盤の前傾が起こりやすくなります。野球やテニス、ゴルフなど同一方向へ回旋する競技に多く見られます。
長時間座っていたり立ちっぱなしの姿勢をしていることによって痛みが強くなるタイプです。すでに腰椎分離症などで骨や椎間板に異常をきたしている人に多くみられます。
いずれにもしても、多くの場合がS字型のカーブが崩れることによって起こります。腰痛予防のためには、まずは姿勢を正すことがとても重要なのです。
良い姿勢が腰痛予防の第一歩
それでは正しい姿勢というのはどのようなものでしょうか。横と後ろから姿勢をチェックしてみましょう。
横からのチェック
耳(耳穴)→肩(肩峰)→大転子(大腿骨のでっぱり)→膝(外側靭帯部分)→外踝(外くるぶし)の各ポイントを直線で結んでみましょう。
各ポイントが地面に対して垂直な直線上にあるような姿勢が正常です。
後ろからのチェック
次の3つのポイントについて、地面に対して平行になっているかを見てみましょう。平行になっていない場合、どのようにズレが生じているかを確認します。
②肩の高さが地面に対して平行か?
③骨盤の位置が地面に対して平行か?
身体を横と後ろから観察し、傾き、ねじれ、曲がり具合をチェックすることで、正しい姿勢への意識づけとなります。