先月号では、全身持久力をテーマに取り上げ、持久力とは何か、持久力を高める重要性についてお伝えしました。全身持久力とは、体全体の筋肉や心肺機能など全身を使った運動を長く続ける能力です。持続トレーニングやインターバルトレーニングなど、心肺機能に負荷をかける全身運動を持続することによって高まり、疲労に耐える体を作ることができます。
今回は、先月号のポイントを押さえながら、全身持久力を高めるための「サーキットトレーニング」をご紹介します。
長い時間、長い距離を何となくダラダラと走るよりも、1kmを全力で走る方が全身の筋肉や心肺機能に負荷がかかることが想像できるように、トレーニングも時間や距離をどれだけ行ったかだけではなく、運動の強度にも注目して行いましょう。

サーキットトレーニングとは

異なる種目のエクササイズを組み合わせ、連続して行うことで全身の筋力や持久力などをバランス良く鍛えるトレーニング方法です。
走る、跳ぶなどの全身運動を組み合わせ、短い時間の中で様々な種類のエクササイズを行います。種目間の休息時間を短くし、ある程度の強度の運動を休みなく継続して行うことで、心肺機能のベースアップや全身運動としての効果を発揮します。また、冬季トレーニングのバリエーションとしても用いることができます。

トレーニング実践

①プランクウォーク 20回
エルボー・トゥ(肘とつま先)の姿勢で体を支え、姿勢を保持したまま左右の足を交互に地面から浮かせます。アジリティディスクなどを用いることで、よりバランスに負荷をかけることもできます。

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②片足ラダー(ジグザグ) 左右1往復ずつ
ラダーを片足ジャンプでジグザグに進みます。ジャンプのリズムやバランスに注意しましょう。

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③ラテラルステップ(マイクロハードル) 3往復
マイクロハードルを並べ、横方向にハードル間を2歩で移動します。

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④フラッターキック 20回
仰向けになり、両足をまっすぐ伸ばします。空中でバタ足をするように、左右の足を交互に上下に動かします。この時、自転車を漕ぐような動きにならないように注意し、股関節から動かすことを意識しましょう。また、頭が地面から浮いて、背中が丸くならないように注意しましょう。

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⑤スプリットジャンプ(マイクロハードル) 10回ジャンプ×2セット
足を前後に開き、ジャンプと同時に足を入れ替えます。マイクロハードルを置くことでジャンプの高さや、足の入れ替えの時の股関節の動きを意識させます。

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⑥クロススキップ(ラダー) 2往復
ラダーの外に足が接地するようにクロスオーバーの動きでラダーを進んでいきます。体幹の捻りやリズムを意識して行いましょう。

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⑦シャトルラン 2往復
コーン間(5m間隔目安)を前後に切り返しながらダッシュで移動します。前方ダッシュだけではなく、バックランやサイドステップなど、スポーツに必要な動きを組み合わせてみましょう。

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上記の回数は目安として設定しています。各種目を一度行ってみて、どのくらいの量を行うと呼吸や心拍数が高まるのか、姿勢や動きが乱れることなくできる量はどのくらいなのかを把握することが重要です。種目についても、ダッシュ系やジャンプ系、体幹のトレーニングなど様々な運動のタイプを組み合わせて行ってみましょう。また、種目を反復回数ではなく時間(例えば30秒ずつ)で区切って行うこともできます。