炭水化物はどれくらい摂ればいいの?

同じ練習をしていても、ある一定期間より選手の疲労度・パフォーマンス状況・トレーニング効果に異なる様子が見えてくることはありませんか? これは具体的な糖質(炭水化物)の必要量を、選手個々の体格・練習内容・パフォーマンスの状況によって調整するサインです。
身体に蓄えるエネルギー源(グリコーゲン)は筋肉量により異なります。練習内容が日々異なる場合、選手個々・練習内容に合わせたリカバリープログラムを考えていくことでトレーンングの効果を高めることができます。(出典 鈴木良雄監修:New Diet Therapy 栄養とアスレティックパフォーマンス、日本臨床栄養協会誌、127、1-52(2017))

アスリートの炭水化物摂取のためのガイドライン
①軽い(低強度、スキル主体の運動)
 …… 3〜5g / 現在の体重 / 日
②中等度(1時間以内の中強度の運動)
 …… 5〜7g / 現在の体重 / 日
③高い(持久運動、1〜3時間の中・高強度の運動)
 …… 6〜10g / 現在の体重 / 日
④非常に高い(4〜5時間以上の中・高強度の運動)
 …… 8〜12g / 現在の体重 / 日

考えてみよう! 自分に必要な炭水化物の量

上段落のガイドラインを参考に計算してみましょう。

A. 本日の練習強度番号:【   】
B.【Aで選んだ強度番号に書かれている数字】g × 現在の体重【   】kg = 【   】g

  例)A:②5〜7g × 現在の体重65kg = 325〜455g
C. Bの計算結果がその日に必要な炭水化物量です。

カーボ(炭水化物量)カウントを行ってみよう!

食品例(目安量) 炭水化物量
ごはん茶碗(ふつう150g) 55g
食パン(6枚切り2枚) 56g
うどん(1人前200g) 55g
あんぱん(1個100g) 50g
バナナ 23g
オレンジジュース 22g

1日450gの炭水化物が必要な場合を例に考えてみましょう。普段、3食の主食の量をお茶碗の大サイズ(300g)で食べているとします。上の表より3食で330gの補給となり、120gを+αとして、練習前・後の補食に取り入れても良いですし、3食のごはんの量を増やしても良いです。強度が高い・非常に高い練習内容の日は、必要な炭水化物量が増えます。調整期・試合期では調整できていても、この時期は練習の内容に合わせた補食内容と回数・主食の量を調整する力が必要になります。必要な摂取量を計算してみましょう。

指導者の皆さまへ

全身持久力を高めるトレーニングの時は貧血に注意しましょう。ふらふらする・集中力がないという症状が見えずとも、2ケ月後のシーズンインの時に気付いたら貧血になっていたということも起こります。安易な鉄剤注射は体調悪化のもとです。先を見据え、この時期の食事に気を付けていくことで貧血を予防することができます。
ディスパッチVol.110 2016年6月号ディスパッチVol.111 2016年7月号参照)

豚レバーの塩麹炒め

材料(2人前)
・豚レバースライス 100g
(A)
 ・酒 大さじ1
 ・塩麹 大さじ1
・にんじん 1/2本
・ピーマン 2個
・すりおろしにんにく 小さじ1/2
・ゴマ油 小さじ1
・片栗粉 大さじ1

作り方
1.レバーを水で洗う
2.チャック付きのポリ袋にレバーと(A)を入れて、冷蔵庫で20分程度おく
  (時間がある場合は一晩おいても良い)
3.にんじんとピーマンは千切りにする
4.耐熱容器に(3)と少量の水を入れてラップをし、電子レンジで加熱する
5.(2)のレバーに片栗粉を入れる
6.フライパンを温め、ゴマ油をしき(5)のレバーを焼く
  (片栗粉がこげないよう、こまめにひっくり返す)
7.一度レバーを皿に取り出し、同じフライパンにすりおろしにんにくと
  (4)のにんじん、ピーマンを炒める
8.(6)のレバーを加え合わせたら完成!

貧血予防とわかっていてもレバーはなかなか料理しづらいですよね。レバーは塩麹でつけておくことで臭みを抑え、食べやすくなります。あわせて、ピーマン・にんじんが嫌いな子も食べやすい味付けです! ポリ袋にいれておく時間が長いほどレバーの臭みを抑えられるため、時間があるときにつけておいてあとは焼くだけの常備菜としてもおすすめです。

チヂミ

材料(4人前)
・ニラ 1束
・にんじん 1/2本
・小エビ 大さじ2
・豚肉(こま切れ) 80g
・炒め用油 小さじ1
・焼肉のたれ 大さじ2
(A)
 ・卵 1個
 ・小麦粉 1/2カップ
 ・片栗粉 1/4カップ
・焼き用油(ごま油) 小さじ2

作り方
1.ニラは3cm幅に、にんじんは千切りにする
2.フライパンを熱し、炒め油をしきニラ、にんじん、小エビ、豚肉を入れ炒め、
  焼肉のたれで味を付ける
3.ボウルに(A)を合わせ、ダマができないように混ぜ合わせ、
  (2)の具材を焼肉のたれごと加えてよく混ぜる
4.(2)のフライパンをキッチンペーパー等でふき、ごま油の半量を熱し、
  (3)の半量を形を整えながら流し入れ、弱火で焼く
5.同様にもう1枚焼く
6.食べやすい大きさに切り、器に盛り付けたら完成!

小麦粉と片栗粉を使うことで炭水化物を、豚肉とニラで疲労回復を図る組み合わせです! 補食としても、副菜としてもおすすめの1品です。選手が自分でも作れる料理ですね。春休みにぜひ自分で作ってみましょう。
なかなかご飯がすすまない時や増量をしたい時、疲労がなかなか抜けない時に取り入れてみてください。