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■歯が抜けたとき、どうする?

アメフトやラグビー、サッカーそしてアイスホッケーなど、選手間の激しいぶつかり合いが発生するコンタクトスポーツでは、歯が折れたり、抜けたりすることがあります。頻繁に起こる外傷ではありませんが、実際にそのような選手に遭遇した際、皆さんならどうしますか?

まずは、歯の外傷について。歯に強い衝撃が加わると、他の部位の骨と同じように破折したり、位置がずれたりします。欠けたり、折れたりした歯を元に戻すことはできませんが、抜けた歯は早急に正しい処置をすれば元通りになる可能性があります。

歯が抜けてしまった場合。抜けた歯は見つかりますか?地面や床に落ちているなら、なるべく探しましょう。肝心なのはその後。歯をすすぐのは生理食塩水か水で数秒間、軽く汚れを落とす程度にしてください。絶対にゴシゴシこすらないこと。歯の周りには歯根膜という繊維組織があって、歯を歯ぐきやその下の骨につなぐ役目をしています。いわばこの膜が歯を元通 りにくっつける鍵になります。こすったり、水に長時間さらしてしまうとこの膜がはがれてしまうので注意しましょう。その後は小さな容器に生理食塩水または牛乳を入れて歯を浸すか、液体を含ませたガーゼなどにくるんで直ちに歯科医へ行きましょう。明暗を分けるのは受傷後の30分。手早く処置をしましょう。まだ、歯が歯肉に残っていてぐらぐらしている場合は、抜かずにそっと指で押して元の位置に戻し、そのまま歯科医へ行きましょう。

破折の際に、歯にくるまれていた神経が顔を出してしまうことがあります。神経は痛みに敏感なため、できるだけ外気、唾液、気温の変化にさらさないようにしましょう。出血がある際は、滅菌ガーゼなどの柔らかい布を軽く噛んで止血に努めましょう。露出した神経は放置せず、必ず歯科医の治療を受けましょう。

出血をしている歯の外傷に対して応急処置を行う際には、必ずゴム製の使い捨て手袋を使用したり、止血を選手自身にさせるなどして、血液との直接コンタクトを避けましょう。これは血液感染する病原体からの予防のためです。血液感染の危険性は、処置をする側が選手の血液から自分の身を守るだけではなく、逆に、出血し感染しやすくなっている選手に対していかなる病原ウィルスも与えないよう配慮することも理由となります。

スポーツの外傷から歯を守るのに最も効果的なのは、マウスガード(マウスピース)の着用です。多くのコリージョンスポーツやコンタクトスポーツで、市販またはカスタムメイドのマウスガードの使用が奨励されています。また、マウスガードは歯の保護だけでなく、顎骨にかかる打撃や外力などが、頭部へ直接伝わらないよう吸収する大事な役目があります。