■超回復と休息
練習の一環として筋力トレーニングを取り入れている選手が増えていますが、筋力トレーニングと休息の関係を考えずに行っていることが多いようです。筋力トレーニングによって筋肉を強くするには、トレーニングだけでなく「休息」についても考慮することが大切です。そこで、今回は筋力トレーニングと休息の関係について話をしたいと思います。
■超回復とは?
筋力トレーニングと休息の関係を理解する上でまず重要なことは、「超回復」という現象を知ることです。超回復とは、筋力トレーニング後に24〜48時間くらいの休息をとることによって起こる現象で、休息の間に筋肉の総量
がトレーニング前よりも増加することをいいます。
■筋肉増加のメカニズム
筋肉を増加させるには、筋肉の破壊と修復を繰り返さなければなりません。筋力トレーニングを行うことによって筋肉は破壊され、それから「24〜48時間」かけて徐々に修復されます。トレーニング後は筋肉が破壊されてしまうので、トレーニング前よりも筋肉の総量
は減少しますが、適切な時間休息を与えることで修復され、さらには超回復が起きて、一度減少してしまったはずの筋肉がトレーニング前よりも大きな筋肉になるのです。つまり、超回復が起こるのを待ってから次のトレーニングを行う方法が、筋肉を増加させるには理想的といえます。
■休息時間の重要性
超回復を知らない選手たちは、超回復が起こる前(筋肉の修復を待たず)に次のトレーニングを行ってしまいます。これは、筋肉の破壊だけを繰り返していることになりますので、筋力トレーニングを続けているにも関わらず、期待通
りの成果を出すのが難しくなるのです。
超回復の原理を有効に利用することによってはじめて、筋肉は強く逞しくなります。しかし、一定の休息時間を取らずに筋力トレーニングを毎日のように行うと、筋量が増加する前に筋肉が再度破壊されてしまい、筋肉は痩せ細ってしまいます。より効率の良い筋力トレーニングを行うためにも、トレーニング間に適切な休息を取ることを心掛けて下さい。
反対に、休息を取りすぎると、せっかく超回復によって一度増えた筋肉が元に戻りますので、注意してください。
次に、実際の例を使って説明します。最初に、図1を見てください。A点が、筋力トレーニングをする前の筋量です。トレーニングを行うことによって、筋量はB点まで減少(筋肉の破壊)します。そこから、筋肉の修復がおこってC点(A点と同じ筋量)まで筋量は上昇し、最後に超回復が起こることで筋量は最終的にD点まで上昇します。B点からD点までに、通常24〜48時間を要します。図1を見てお分かりのように、D点はA点よりも高いところに位置しています。つまり、破壊された後の適度な休息によって得られる超回復を有効に利用することにより、筋肉はトレーニング前よりも筋量が増えることになります。このように超回復の原理を利用し、繰り返しトレーニングを行えば、筋肉は効率よく大きくなっていきます。

図1 超回復を利用したトレーニングでの筋量変化 |
次に、図2を見てください。これはあまりに練習熱心なばかりに休息を取らずにトレーニングを続けてしまい、逆効果 を生んでしまった典型的な例です。元々の筋量がa点です。そして、トレーニング後にb点まで筋量
は減少しました。しかし、休息を少ししか取らずに筋肉の修復や超回復が起こる前(c点)に次のトレーニングを行ってしまったため、筋肉は再度破壊されてしまい、元々の筋量
(a点)よりも少なくなってしまっています。
この選手は、超回復を待たずにトレーニング(筋肉の破壊)を繰り返しているので、筋量 は減少していく一方です。

図2 超回復を待たずに行うトレーニングでの筋量変化 |
図2の選手の方が筋力トレーニングを回数多く行っているわけですが、筋肉の量 は数ヶ月後には図1の選手の方が多くなっているはずです。図1の選手は超回復の原理を理解し、適切に休息を取りながら筋力トレーニングを行いましたので、図2の選手より少ないトレーニング量で筋力トレーニングの目的を達成することができました。どちらが効率よくトレーニングを進めていたかは、もうお分かりですね。
これからウェイトトレーニングをはじめようと思っている方、あるいは既に行っているけれど超回復を知らなかった方、個人差はありますが「24〜48時間の休息」を筋力トレーニングの間でしっかりと取って、効率のよい筋力アップを目指して下さい。下記は一週間のトレーニング例です。
●超回復を利用したトレーニング例
<例1>
月曜日 筋力トレーニング
火曜日 休息
水曜日 休息
木曜日 筋力トレーニング
金曜日 休息
土曜日 休息
日曜日 筋力トレーニング |
<例2>
月曜日 筋力トレーニング(上半身)
火曜日 筋力トレーニング(下半身)
水曜日 休息
木曜日 筋力トレーニング(上半身)
金曜日 筋力トレーニング(下半身)
土曜日 休息
日曜日 筋力トレーニング(上半身) |
休養だけでなく、「バランスのとれた食事」にも気をつけましょう。

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